斜視の治療法
子供さんの場合には屈折異常に対しての眼鏡による治療を行うことで、斜視が改善することがあります。成人では、角度のついた眼鏡で複視や眼精疲労などの症状が改善するか様子を見ます。また、視能訓練で改善することもあります。それでも改善しない場合や、視機能の発達が妨げられている場合、複視や眼精疲労など視機能に影響する場合、整容的に気になる場合には、目の位置を戻すための手術を行います。目に付着している6つの筋肉のうちの上下内外に動かす4つの筋肉(上直筋、下直筋、内直筋、外直筋)を手術で操作し、目の方向を整えます。主に下表のような手術法が行われています。また、斜視の新しい治療法で、A型ボツリヌス毒素製剤を筋肉に注射して筋肉を麻痺させることにより、目の向きを治すボトックス療法が2015年に日本で承認され、本院でも使用を開始しています。
斜視の手術
手術治療 成人は局所麻酔、小児は全身麻酔で行います。白目の一部を切って、筋肉を切って縫合します。術後は充血が1ヶ月程度残ることがあるため、点眼を続けてもらいます。
短縮法
筋肉を切って縮めることによって目を動かす方法で、内直筋を短くすると、目は内側に向きます。
後転法
筋肉を付着部で外し、今までの付着部よりも後ろ側、すなわち筋肉を緩める方向につけることによって目を動かす方法で、例えば内直筋を後転すると目は外側に向きます。
短縮法と後転法の併用
例えば内直筋を短縮し、外直筋を後転すると、より大きく目を内側に向けることができます。