レーシックと眼内コンタクトレンズ(ICL)どっちがいい?
近視・遠視・乱視など視力の問題を解消するためのレーシックとICLには、それぞれ得意とする分野があります。レーシックは、角膜の表面をレーザーで削り取り、その形状を変えることで視力を矯正する手術です。軽度の近視ではICLよりもレーシックの方が適している場合があります。 ICLは、眼内にコンタクトレンズを挿入する手術で、角膜の形状を変えずに視力を矯正します。レーシック・ICLそ…
ICL手術を受けた当日は、視野がぼんやりとした状態になります。個人差はありますが、多くの方は手術の翌日、ほとんどの方は術後数日から1週間ほどで視界が鮮明にみえるようになります。
手術をしてからしばらくの間は、ハロー・グレア(光の輪がかかったように見えたり、光が強く眩しいように感じる現象)が出ることもありますが、次第にそれらの症状も落ち着いていきます。
術後の眼の状態は、非常にデリケートです。感染症などの対策をしっかりと行うことが大切です。日常生活への完全復帰には、一か月程度かかります。以下の項目に注意して術後お過ごしください。
日常生活における制限について、以下に記した項目は目安として参考にして下さい。
クリニックによって制限される内容が異なります。詳しくは、手術を受けるクリニックで、ご確認をお願いします。
項目 | |
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入浴、洗顔、洗髪など | シャワーは、翌日から可能です。ただし首から下となります。洗顔と洗髪は術後4日経過したころから可能です。 ただし、洗髪は顔を濡らさないように上向きであれば手術翌日から可能です。3日程度は、顔を濡れたタオルで拭う程度でとどめておいてください。 |
家事やデスクワーク | 制限は特にありません。 手術当日や翌日は、あまり疲れない程度にしてください。 |
運転 | 手術翌日に視力改善を確認できれば可能です。ただし、見え方(特に夜間)が、術前と大きく異なるので慎重に行うようにして下さい。 |
メイク | 目の周りのアイメイクは、術後4日から可能です。まつ毛パーマやまつ毛エクステは、約2週間~1か月ほど控えるようにしてください。 |
運動 | ジョギング、ゴルフなどのスポーツは、術後1週間後から可能です。水泳などのマリンスポーツについては、一か月ほど控えて頂く必要があります。 |
デスクワークや家事について、特に制限はありませんが、なるべく当日と翌日は控えるようにしましょう。また、屋外での仕事や重労働などの仕事については、復帰の時期について医師に相談するようにしてください。
車の運転は、翌日の検診で医師にご相談をお願いします。術後は、ぼんやりとした視界で、普段と見え方も異なります。特に夜間の運転は危険なので、視力が安定するまでの間は、なるべく控えるようにしましょう。
日ごろのスキンケアやアイメイクの際は、なるべく異物が眼に入らないように注意して行うようにしてください。カラコンやまつ毛エクステ、まつ毛パーマについては、1か月後の検診で特に問題が無ければ可能です。
手術後は、眼の状態が非常にデリケートなので、擦ったり異物の混入を避けるために保護メガネの着用をお願いしています。裸眼の状態で過ごしていると、空気中の微細な塵やホコリ、花粉などが入り込む可能性があります。
外出時は、異物や紫外線から守る目的もあります。着用の注意事項については、事前にご説明いたします。
定期検診が終わった後も、1年に1回は検診へお越しください。裸眼で過ごせるようになったとしても、近視の状態は変わらないので、将来、黄斑や緑内障など他の疾患にかかるリスクがあります。長期にわたって良好な視力の状態を保つために、年に1度の検診を受けるようにしましょう。
視力が安定するまで、術後1か月ほどは目の周りをなるべく触らないように気をつけましょう。特に目を擦るのは、大変危険です。
また、スキンケアやメイクの際に、眼の中に異物が混入しないように注意して行うようにしましょう。衛生面で心配な場所や公衆浴場などは、感染症のリスクからなるべく控えるようにしてください。就寝中は、目を擦らないようにうつぶせにならないようにするなど工夫するようにしましょう。保護メガネを着用することで、異物の混入や目元を擦ることが無く安全にお過ごしいただけます。
視力の回復には個人差がありますが、ほとんどの方が術後数日から1週間ほどで視力の回復を実感されます。術後しばらくの間は、ハロー・グレアのような光をまぶしく感じたりぼやけたりする症状が現れることがありますが、それらの症状もしばらくすれば消失します。1か月以上経過しても、ハロー・グレアの症状がみられる場合は、定期検診で医師にご相談ください。
ICL手術は、感染症の発症頻度が1/6000人(確率;約0.02%)と極めて低く、安全な手術とされていますが、トラブルや感染症が起こらないために、感染対策をしっかりと行うことが重要です。
クリニックでは、手術を行う際に感染対策を十分に行い、安全に配慮しています。術後は、切開部分が完全に塞がるまで、異物混入や目元に触れないように十分注意してお過ごしください。日常生活での注意事項と併せて、処方された点眼薬を医師の指示に従い行うようにしましょう。
術後の定期検診については、手術費用に含まれています。気になる症状などがあれば、医師にご相談ください。
医療法人聖佑会 おおしま眼科グループ 代表。
大阪大学医学部卒・医学博士。多根記念眼科病院、大阪労災病院、大阪大学医学部眼科講師、東京西葛西井上眼科病院副院長を歴任。
2014年におおしま眼科クリニックを開院し、2015年に医療法人聖佑会理事長に就任。現在、大阪府下(高槻、八尾、松原)にて眼科手術専門施設3院を統括。年間手術総数5,000例を数える日本有数の日帰り手術施設に成長。
ICL(眼内コンタクトレンズ)みのならず、白内障手術や網膜硝子体手術に対しても幅広い知見と執刀経験を持ち、新しい術式開発で国際的に評価されている。ICL手術をはじめ、年間3000例以上の内眼手術を執刀するかたわら、今も世界各地で講演および手術ライブを行い、米国眼科学会、ヨーロッパ白内障・屈折矯正学会、アジアパシフィック眼科学会、アジアパシフィック屈折矯正学会などにて受賞多数。Best Doctors in Japanを2014年より現在まで6期連続で選出。