レーシックと眼内コンタクトレンズ(ICL)どっちがいい?
近視・遠視・乱視など視力の問題を解消するためのレーシックとICLには、それぞれ得意とする分野があります。レーシックは、角膜の表面をレーザーで削り取り、その形状を変えることで視力を矯正する手術です。軽度の近視ではICLよりもレーシックの方が適している場合があります。 ICLは、眼内にコンタクトレンズを挿入する手術で、角膜の形状を変えずに視力を矯正します。レーシック・ICLそ…
ICL手術は、小さなレンズを目の中に移植し、近視、遠視、乱視を矯正する視力矯正手術です。この手術は、目にコンタクトレンズを埋め込むようなもので、レンズを入れることで、取り外しやメンテナンスの必要がなくなります。その結果、日常生活を裸眼で過ごせるようになります。
ドライアイは、涙の量や質が不十分になることで、目に不快感を感じたり視機能に影響を及ぼす疾患で、目の表面に傷が生じることもあります。
この症状は、パソコンやスマートフォンの長時間使用、エアコンの効いた部屋での生活、コンタクトレンズの使用などによって涙が蒸発しやすくなることが原因です。
など
涙は涙腺によって分泌され、目をまばたきすることで目の表面全体に広がり、目を潤して保護します。具体的には、以下のような重要な役割を担っています。
ICLによって、ドライアイになる、またはドライアイが悪化することは基本的にはありません。
ICL手術では、目の中にレンズを移植することで視力を矯正します。この手術で角膜を約3mm切開しますが、非常に小さな切開であり、涙の分泌量には影響を与えることはありません。そのため、ICL手術が涙の分泌を促すわけではないため、ドライアイを直接改善する効果もありません。
また、ドライアイの原因がコンタクトレンズ使用によるものであれば、ICL手術によってコンタクトレンズを使用しなくなるため、症状が改善される可能性があります。
一方、レーシック手術では角膜の一部を削って視力を矯正しますが、この過程で角膜の表面にある神経が一時的に損傷されることがあります。角膜の神経は、涙の分泌や目の表面を潤す役割を担っていますが、レーシック手術後にはこの神経の感度が低下し、涙液の分泌が減少します。このため、目の表面が乾燥しやすくなり、ドライアイが起こることがあります。
また、角膜の形状が変わることで涙液の均一な分布が難しくなり、目の潤いを保つ機能が一時的に乱れることもドライアイを引き起こす原因の一つです。手術後、神経は徐々に回復しますが、完全に元の状態に戻るには時間がかかることがあり、その間にドライアイの症状が現れることが多いです。
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医療法人聖佑会 おおしま眼科グループ 代表。
大阪大学医学部卒・医学博士。多根記念眼科病院、大阪労災病院、大阪大学医学部眼科講師、東京西葛西井上眼科病院副院長を歴任。
2014年におおしま眼科クリニックを開院し、2015年に医療法人聖佑会理事長に就任。現在、大阪府下(高槻、八尾、松原)にて眼科手術専門施設3院を統括。年間手術総数5,000例を数える日本有数の日帰り手術施設に成長。
ICL(眼内コンタクトレンズ)みのならず、白内障手術や網膜硝子体手術に対しても幅広い知見と執刀経験を持ち、新しい術式開発で国際的に評価されている。ICL手術をはじめ、年間3000例以上の内眼手術を執刀するかたわら、今も世界各地で講演および手術ライブを行い、米国眼科学会、ヨーロッパ白内障・屈折矯正学会、アジアパシフィック眼科学会、アジアパシフィック屈折矯正学会などにて受賞多数。Best Doctors in Japanを2014年より現在まで6期連続で選出。