ICLのデメリットについて

ICL(眼内コンタクトレンズ)を検討している方へ

ICL(眼内コンタクトレンズ)を検討している方へ日本だけでなく世界で豊富な症例数があり、認知度や需要が年々高くなっているICL(眼内コンタクトレンズ)は、裸眼で日常生活を送りたい方にとってとても魅力的な手術と言えます。
ICLは、レーシックのように角膜を削る必要が無く、眼内に装着したレンズを取り外して元の状態に戻すことも可能ですが、実際に手術を検討される方は後悔することが無いように、あらかじめデメリットや術後の状態についてもしっかり理解しておく必要があります。

ICLとは

ICLとはICLは、「Implantable Contact Lens(眼内コンタクトレンズ)」の略称です。
レーシックのように角膜を削る必要が無く、眼の中に専用のレンズを挿入して屈折異常を矯正する手術です。
近視・遠視・乱視の方がICLを受けることで、メガネやコンタクトレンズを使用せずに裸眼で日常生活を送ることが可能です。
ICLは、眼の角膜と虹彩の間にある前房にレンズを挿入する前房型有水晶体眼内レンズと、虹彩と水晶体の間にレンズを入れる後房型有水晶体眼内レンズがあります。国内で取り扱っているICLのほとんどが後房型有水晶体眼内レンズです。ICLには、ドライアイになりにくい、術後の視力の安定性が高い、何かあった時には元の状態に戻すことができる等、レーシックと比較して様々なメリットがあります。しかし、ICLにはメリットだけではなくデメリットも存在します。手術を受けようか迷っている方は、デメリットについてもしっかりと理解した上で、手術を検討するようにしましょう。

ICL手術のメリット・デメリット

メリット

メガネ、コンタクトレンズ無しで生活できる

ICLは、半永久的に眼内レンズを装着することができるので、普段お過ごしいただく際に眼鏡やコンタクトレンズの装着が不要となります。
旅行や出張、スポーツ、災害時においても、眼鏡やコンタクトレンズを気にすることなくお過ごしいただけます。

術後、視力の回復が早い

視力の回復には個人差がありますが、早い方で手術の翌日から視力が回復します。また、多くの方が、数日~1週間程度で視力が回復します。

手術の適応範囲が広い
  1. 強度近視にも対応可能
    レーシックでは適応外となる強度近視の方も、安心して手術が受けられます。
  2. 角膜が薄い方も適応
    レーシックは角膜を削るのである程度の厚みが必要ですが、ICLは角膜が薄い方も適応となります。
  3. 軽度円錐角膜の方も対応
    ICLは軽度円錐角膜の方も、手術の適応となります。ただし慎重適応となります。
ドライアイになりにくい

レーシックは、フラップを作成するので手術後にドライアイになりやすいというデメリットがあります。しかし、ICLはフラップを作成しないので、ドライアイの心配がありません。

ハロー・グレアが軽減

眼内レンズの物を見る光学部が広く改良されました。そのため、上記のようなハロー・グレア現象が以前と比べて軽減され、夜間なども視力への影響が抑えられています。

ハロー・グレアが軽減

長期間、視力が良好な状態が続く

レーシックは、ある一定の割合で近視の戻り(数年後に元の状態に戻る)がみられます。
角膜を削ると強度が落ちるので眼圧によって角膜を押し戻す力が働くことによって禁止の戻りが起こるとされています。ICLなら、手術による角膜形状変化を起こすことが無いので長期間、安定性が高く視力が良好な状態が続きます。

デメリット

自費診療で価格はクリニックによって差が生じる

手術を検討される方は、費用についても重要な検討材料になるかと思います。
ICLは、自費診療のため価格はクリニックで自由に設定することができます。
一般的な相場は、60万円前後といわれています。(実際には、50万~80万円まで価格に大きく開きがみられます)
手術やレンズの費用だけでなくその後の検診や保証期間もクリニックによって異なるので、事前にしっかり確認する必要があります。

手術までの待機期間がある

ICLは、患者様に適したレンズを作成します。国内にレンズの在庫があれば、2週間~1か月程度、海外に発注する必要がある場合は2~3か月程度、お待ちいただく必要があります。

手術による感染症のリスク

ICL手術は、眼内で手術操作を行う、いわゆる「内眼手術」であるため、感染症のリスク(頻度:約6000人に1人、発症率約0.02%)を伴います。そのため手術ははクリーンルームである眼科手術室で行い、感染症のリスクを最大限抑えています。また、感染症リスクの軽減のために、医師の指示に従い、術前の点眼による減菌、定期通院による経過観察、術後も約2週間~1か月の点眼の継続を忘れずに行う必要があります。

ハロー・グレアは軽減されてはいるが発症がゼロではない

夜間や暗い場所で強い光がギラギラと眩しく見えたりぼやけて見えるハロー・グレアの症状は、以前と比べて解消されたとはいえ、術後しばらくは症状を感じる方もいらっしゃいます。しかし、ほとんどの方は数週間から数か月程度で自然に症状が解消していきます。
ただし、近年、国内未認可の海外輸入の老眼用の眼内コンタクトレンズを試みられている施設もあるようで、レンズの光学形状は白内障手術に用いられる多焦点眼内レンズの構造を利用しているので、通常のレンズよりもハロー・グレアが若干強く感じる可能性があります。

度数のズレ・位置のズレ

ICLのレンズは詳細な検査をもとに、患者様の眼の状態に合わせて適切な度数を決定いたします。用意したレンズの度数にずれが生じると、期待される視力の回復が得られない場合がありますの、術前検査の正確さがとても大切です。
また、ある程度の衝撃程度では、挿入したレンズの位置がずれることはありませんが、乱視用のレンズでは、稀に強い衝撃や外傷が加わるとレンズが回転することで乱視の軸がずれるので、位置を修正する必要があります。

緑内障や白内障の発症リスク

以前のICLで用いられるレンズには、眼の中を循環する房水の流れを妨げることから、非常に低い確率で緑内障発作や約2~5%の白内障の発症がみられました。しかし、現在ではホールICLと呼ばれる穴が真ん中に空いたレンズによって、房水の流れを確保して緑内障の発症リスクが解消され、白内障のリスクも激減しました。

ICLによる失明の可能性

ICLは、安全性の高い手術であり、失明のリスクは限りなくゼロに近いですが、ゼロではありません。約3ミリの切開創から眼内レンズを挿入する際に、細菌などが入り込むと感染症を引き起こす恐れがあります。
感染症の確率は、1/6000(およそ0.02%)と非常に低い数値ですが、デリケートな感覚器官における手術のため、術前・術後の注意事項についての説明を理解した上で、医師の指示に従いましょう。

最後に

最後にICLなら、眼鏡やコンタクトレンズ無しで、趣味やスポーツを裸眼で楽しむことができます。災害時などにも眼鏡やコンタクトレンズの心配がありません。手術の適応も広く、強度近視や角膜が薄い方も安心して手術が受けられます。
レーシックの弱点を克服した素晴らしい手術ですが、手術には、必ずリスクがつきものです。合併症のリスクをなるべく抑えるためにも、術後も検診や医師の指示に従い点眼を続けて頂く必要があります。メリットだけでなくデメリットにも注目して、手術を検討していただくことが重要です。

ICL手術(眼内コンタクトレンズ)とは角膜を削らない視力矯正。術後裸眼視力 1.0以上、99.8% 1.2以上 96.4%。強度の近視・乱視・遠視にも対応。インストラクター(指導医)が執刀。日帰り手術、両眼で平均10~15分。両眼税込み66万円から。医療費控除対象。詳しくはこちら

監修医師

眼科医:大島 佑介

眼科医:大島 佑介

医療法人聖佑会 おおしま眼科グループ 代表。
大阪大学医学部卒・医学博士。多根記念眼科病院、大阪労災病院、大阪大学医学部眼科講師、東京西葛西井上眼科病院副院長を歴任。
2014年におおしま眼科クリニックを開院し、2015年に医療法人聖佑会理事長に就任。現在、大阪府下(高槻、八尾、松原)にて眼科手術専門施設3院を統括。年間手術総数5,000例を数える日本有数の日帰り手術施設に成長。

ICL(眼内コンタクトレンズ)みのならず、白内障手術や網膜硝子体手術に対しても幅広い知見と執刀経験を持ち、新しい術式開発で国際的に評価されている。ICL手術をはじめ、年間3000例以上の内眼手術を執刀するかたわら、今も世界各地で講演および手術ライブを行い、米国眼科学会、ヨーロッパ白内障・屈折矯正学会、アジアパシフィック眼科学会、アジアパシフィック屈折矯正学会などにて受賞多数。Best Doctors in Japanを2014年より現在まで6期連続で選出。

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