ICLの手術は痛いの?手術への不安について

ICL手術とは

ICL手術とはICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、目に小さな切開を入れてレンズを埋め込むことにより、近視やその他の屈折異常を矯正し、裸眼での日常生活が可能になる視力回復手術です。この手術は世界で200万眼以上の施術実績があり、日本でもその安全性と効果が高く評価されており、2014年には厚生労働省からSTAAR Surgical社製のICLが承認されました。

内眼手術というと、「手術中の痛み」やメスとピンセットが目に触れることへの恐怖を感じる方もいるかもしれません。しかし、ICL手術では麻酔を用いるため痛みはほとんど感じず、手術時間も短く、非常に安全です。実際に多くの患者さまが「痛みを感じなかった」と述べており、手術中の様子が目に見えることもないため心配ありません。

ICLについて詳しくはこちら

ICLの手術方法

当院での手術時間は両眼で約10〜15分と短く、多くの患者さまからは「予想より早く終わった」との感想を頂いています。手術後は、約30分間の安静時間を院内で過ごしていただき、眼圧チェックの後、そのままお帰りいただくことが可能です(日帰り手術)。

ICLの手術方法

  1. 洗眼・点眼(消毒、麻酔、散瞳)
    目を消毒して清潔にし、点眼薬により表面麻酔と瞳孔(黒目)を大きく開かせます。
  2. 眼内レンズの挿入
    麻酔薬を点眼し、黒目と白目の境目を約3mm切開します。この切開創からレンズを折り畳んだ状態で目の中へ挿入します。
  3. レンズの位置を調整
    挿入されたレンズは目の中で広がります。広がったレンズを虹彩と水晶体の間に固定します。乱視のある方はレンズの角度に従って位置調整します。
  4. 点眼して終了
    切開創は眼球内の圧力(眼圧)よって自然に閉じて治るので、縫い合わせる必要はありません。最後に消毒薬を点眼して手術は終了します。

当院の手術までの流れについて
※ICLページのアニメーションもご参照ください

手術中の痛みや出血について

ICL手術では、レンズを折りたたんだ状態で挿入するため、約3mmという非常に小さな切開で施術を行います。そのため、点眼麻酔だけで手術中の痛みを十分に抑えることができます。
実際に手術を受けた多くの患者さまは、「ほとんど痛みを感じなかった」、「目に何かが触れる感覚だけだった」との感想も寄せられています。
また、角膜輪部(白目と黒目の境目)の毛細血管の少ない場所を選んで切開するので、術中も術後も出血することはほぼありません。

手術中にメスや針は見えますか?

手術中にメスや針が直接目に見えることへの不安をお持ちの方も多いですが、手術では点眼により瞳孔を広げて眼内の光の量を調節します。また、顕微鏡の照明の影響で視界がぼんやりとして眩しいため、手術器具がはっきりと見えることはありませんので、ご安心ください。

術後の目の状態について

手術後の初期段階では、コンタクトレンズをつけているようなゴロゴロ感を感じることがありますが、通常、痛みはほとんどありません。しかし、痛みが持続する場合や目に異常を感じる場合、稀にですが術後合併症を示す可能性があります。一部の術後合併症は放置すると失明に至るリスクもあるため、症状が現れたらすぐに手術を受けた医療機関に連絡し、適切な診察を受ける必要があります。

主な術後合併症

感染症

ICL手術は内眼手術のため、切開から細菌が侵入し感染症が発生するリスクがあります。
この手術での切開は約3mmと非常に小さいため、眼内炎の発生率は約0.02%(1/5,000)と非常に低いですが、万が一発生した場合には緊急処置が必要になります。
そのため、手術施設ではクリーンな手術環境の維持と滅菌対策を徹底しており、患者さまには術後の点眼薬の適切な使用や日常生活での注意点の守り方が求められます。感染症のリスクを最小限に抑えるためには、患者さまの積極的な協力が不可欠です。

眼圧の上昇

以前のICLレンズモデルでは、眼内の房水の流れを妨げることがあり、それが眼圧の上昇や緑内障の発症リスクを高める要因となっていました。しかし、現在使用されている「ホールICL」では、レンズ中央に0.36mmの孔が設けられており、これにより房水の自然な循環が確保されます。この改良により、以前のモデルに見られた問題は大幅に解消されました。

ICLをお考えの方へ

ICLをお考えの方へICL手術は高い安全性が認められており、心身への負担も少ないため、多くの患者さまから「ほとんど痛みを感じなかった」との感想が寄せられています。
手術をより安心して受けるためには、ICL手術の詳細を深く理解することが重要です。また、どんなに安全性が高い手術であっても、万が一のリスクを知っておくことも大切です。

当院でICL適応検査をお受けいただいた方へ

当グループの大島が、ICLインストラクター4名と共同で執筆した「凄腕ドクターが解説する 眼内コンタクトレンズ ICL手術」を贈呈いたします。手術をご検討される際にお役立てください。※Amazonでもご購入いただけます。

Amazonはこちら >
ICL手術(眼内コンタクトレンズ)とは角膜を削らない視力矯正。術後裸眼視力 1.0以上、99.8% 1.2以上 96.4%。強度の近視・乱視・遠視にも対応。インストラクター(指導医)が執刀。日帰り手術、両眼で平均10~15分。両眼税込み66万円から。医療費控除対象。詳しくはこちら

監修医師

眼科医:大島 佑介

眼科医:大島 佑介

医療法人聖佑会 おおしま眼科グループ 代表。
大阪大学医学部卒・医学博士。多根記念眼科病院、大阪労災病院、大阪大学医学部眼科講師、東京西葛西井上眼科病院副院長を歴任。
2014年におおしま眼科クリニックを開院し、2015年に医療法人聖佑会理事長に就任。現在、大阪府下(高槻、八尾、松原)にて眼科手術専門施設3院を統括。年間手術総数5,000例を数える日本有数の日帰り手術施設に成長。

ICL(眼内コンタクトレンズ)みのならず、白内障手術や網膜硝子体手術に対しても幅広い知見と執刀経験を持ち、新しい術式開発で国際的に評価されている。ICL手術をはじめ、年間3000例以上の内眼手術を執刀するかたわら、今も世界各地で講演および手術ライブを行い、米国眼科学会、ヨーロッパ白内障・屈折矯正学会、アジアパシフィック眼科学会、アジアパシフィック屈折矯正学会などにて受賞多数。Best Doctors in Japanを2014年より現在まで6期連続で選出。

関連記事

レーシックと眼内コンタクトレンズ(ICL)どっちがいい?

レーシックと眼内コンタクトレンズ(ICL)どっちがいい?

近視・遠視・乱視など視力の問題を解消するためのレーシックとICLには、それぞれ得意とする分野があります。レーシックは、角膜の表面をレーザーで削り取り、その形状を変えることで視力を矯正する手術です。軽度の近視ではICLよりもレーシックの方が適している場合があります。 ICLは、眼内にコンタクトレンズを挿入する手術で、角膜の形状を変えずに視力を矯正します。レーシック・ICLそ…

ICL手術が向いている人と向いてない人

ICL手術が向いている人と向いてない人

ICL(眼内コンタクトレンズ)とは、近視・遠視・乱視などの屈折異常を矯正するために、眼内に微細なレンズを挿入する屈折矯正手術です。 眼内にある虹彩と水晶体の間に装着するレンズで、従来のコンタクトレンズとは異なり、外部に取り付けるのではなく眼内に埋め込むので、日常生活でメガネやコンタクトレンズを使用せずにクリアな視界が得られます。 レーシックのように、角膜を削る必要がない…

ICLのデメリットについて

ICLのデメリットについて

日本だけでなく世界で豊富な症例数があり、認知度や需要が年々高くなっているICL(眼内コンタクトレンズ)は、裸眼で日常生活を送りたい方にとってとても魅力的な手術と言えます。 ICLは、レーシックのように角膜を削る必要が無く、眼内に装着したレンズを取り外して元の状態に戻すことも可能ですが、実際に手術を検討される方は後悔することが無いように、あらかじめデメリットや術後の状態につ…

視力を回復する方法(治療法比較)

視力を回復する方法(治療法比較)

近視・遠視・乱視などの屈折異常で眼鏡やコンタクトレンズがないと生活ができない方にお勧めの屈折矯正による治療法をご紹介します。 眼鏡やコンタクトレンズ無しで、裸眼で生活が可能な屈折矯正手術として、オルソケラトロジー、ICL手術、多焦点眼内レンズ、レーシックがあります。 それぞれ手術の内容や適応範囲、費用などが異なります。治療を比較した上で、ご自身に合うものをお選びいただく…

乱視用ICLについて

乱視用ICLについて

ICLは、眼鏡やコンタクトレンズ無しで視力の回復が得られる屈折矯正手術です。ICLは、近視や遠視だけでなく乱視の方も治療が行えます。 乱視とは 人は、見ている対象物に対して自動的に眼のピント調節を行います。乱視の方は、見る距離にかかわらず光が焦点を正しく結ばずにピントがどこにも合わない状態です。常にピンボケのようにみえたり、物が二重になって見えます。日常生活に支…

ICL手術後の注意点と日常生活について

ICL手術後の注意点と日常生活について

ICL手術を受けた当日は、視野がぼんやりとした状態になります。個人差はありますが、多くの方は手術の翌日、ほとんどの方は術後数日から1週間ほどで視界が鮮明にみえるようになります。 手術をしてからしばらくの間は、ハロー・グレア(光の輪がかかったように見えたり、光が強く眩しいように感じる現象)が出ることもありますが、次第にそれらの症状も落ち着いていきます。 術後の眼の状態…

ICLの再手術が必要なケースは?

ICLの再手術が必要なケースは?

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、虹彩と水晶体の間に特殊なレンズを挿入し、近視、遠視、乱視などの屈折異常を矯正する視力回復手術です。 この手術は、一度レンズを挿入すると、コンタクトレンズのような日常のメンテナンスが不要であり、基本的には半永久的に使用可能です。 角膜を削るレーシック手術と比較して、ICLは長期的に視力が安定し、また「近視の戻り」のリスクが少ないという…

ICLに失敗はありますか?後悔しないためのICL手術

ICLに失敗はありますか?後悔しないためのICL手術

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、永久コンタクトレンズとも呼ばれ、目に小さなレンズを移植して近視、遠視、乱視を矯正する屈折矯正手術です。このレンズは人の寿命を超える耐久性があるため、半永久的に使用が可能ですが、通常は白内障手術時に除去されることがあります。また、生体適合性が高い素材で作られているため、目の中での拒絶反応が少なく、長期間安心して使用できます。 ICL…

ICLの手術費用・料金-保険適用される?

ICLの手術費用・料金-保険適用される?

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は自由診療に分類されるため、公的保険の適用は受けられず、全額自己負担となります。自由診療であることはどの医療機関でも共通ですが、施設によって治療費が異なる場合があります。そのため、ICLを検討している方にとって、医療機関選びの際の費用は大きな要因となります。 ここでは、ICL手術の高額な費用の理由、医療機関による費用の差異、費用の相場、お…

ICLとドライアイについて

ICLとドライアイについて

ICL手術は、小さなレンズを目の中に移植し、近視、遠視、乱視を矯正する視力矯正手術です。この手術は、目にコンタクトレンズを埋め込むようなもので、レンズを入れることで、取り外しやメンテナンスの必要がなくなります。その結果、日常生活を裸眼で過ごせるようになります。 ICLについて詳しくはこちら ドライアイとは ドライアイは、涙の量や質が不十分になることで、目に不快…

ICL術後に白内障になった場合は?

ICL術後に白内障になった場合は?

ICL手術は、小さなレンズを目の中に移植し、近視、遠視、乱視を矯正する視力矯正手術です。この手術は、目にコンタクトレンズを埋め込むようなもので、レンズを入れることで、取り外しやメンテナンスの必要がなくなります。その結果、日常生活を裸眼で過ごせるようになります。また、ICLは長期的に視力が安定し、「近視の戻り」のリスクが少ないという特徴があります。必要に応じてレンズを取り出し…

ICLに年齢制限はある!?ICLと年齢の関係性について

ICLに年齢制限はある!?ICLと年齢の関係性について

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、目の中に特別なレンズを埋め込むことで、近視、遠視、乱視などの屈折異常を矯正し、裸眼での生活を可能にする方法です。 この手術は「有水晶体眼内レンズ」とも呼ばれ、自身の水晶体を温存したまま行うため、自然な見え方やピント調整機能を保持しながら視力を改善します。 ICLはその安全性と効果が広く認められており、世界で200万眼以上の手術が行わ…

ICLのレンズの特徴や種類・リスクについて

ICLのレンズの特徴や種類・リスクについて

ICLの正式名はImplantable “Collamer” Lensであり、正確にはアメリカの「STAAR Surgical社」製の「後房型の有水晶体眼内(コンタクト)レンズ、通称フェイキックIOL」の「商品名」であります。現在の全世界的のシェアの大部分を占めておりますので、みなさんが後房型有水晶体眼内(コンタクト)レンズをICLと呼んでいる状況です。STAAR Surg…

【ICL手術】京都から高槻院にお越しの患者様へ

【ICL手術】京都から高槻院にお越しの患者様へ

電車でお越しの方 JR京都線(東海道本線)をご利用の場合 京都駅から高槻駅までJR京都線の新快速または快速に乗車してください。所要時間は約10~15分です。 高槻駅に到着後、南口に出ていただき、京阪バスに乗り換えます。 バスでのアクセス 高槻駅南口から出る「京阪バス」を利用し、「西冠(にしかんむり)」方面のバスに乗車します。「西冠」バス停で下車し、そこから徒歩約5…

【ICL手術】奈良から八尾院にお越しの患者様へ

【ICL手術】奈良から八尾院にお越しの患者様へ

電車でお越しの方 近鉄奈良線をご利用の場合 奈良駅から近鉄奈良線を利用し、大阪上本町駅で近鉄大阪線に乗り換え、近鉄八尾駅で下車します。近鉄八尾駅からクリニックまでは以下の通りです。 徒歩でのアクセス 近鉄八尾駅 北出口からクリニックまで徒歩約6分です。GoogleMap等に「大阪府八尾市桜ヶ丘1-10-2」を入力し、桜ヶ丘クリニックビルを目指してください。 タクシ…

【ICL手術】和歌山から松原院にお越しの患者様へ

【ICL手術】和歌山から松原院にお越しの患者様へ

電車でお越しの方 JR阪和線をご利用の場合 JR和歌山駅からJR阪和線に乗車し、天王寺駅で近鉄南大阪線に乗り換え、河内松原駅で下車します(所要時間は約1時間40分)。 徒歩でのアクセス 河内松原駅からクリニックまでは徒歩約5分です。駅北口を出て、国道309号線に向かい直進するとクリニックがあります。 タクシーでのアクセス 駅からタクシーで約1~2分の距離です。徒…