結膜炎

結膜炎とは

結膜炎は、まぶたの裏側と眼球表面の間にある薄い膜である結膜に炎症がおきる病気です。細菌やウイルスの感染、アレルギー反応、乾き目などタイプは色々あります。ウイルス性など感染によって広まる結膜炎には、感染力が非常に強いものがあるため、結膜炎にかかったら周囲にうつさないように十分注意をしてください。

ウイルス性結膜炎にはどんなものがありますか?

主なウイルス性結膜炎には以下のようなものがあります。

流行性結膜炎

一般に「はやり目」と呼ばれています。アデノウイルスの感染によって起こる結膜炎で、感染力が大変強く、ウイルスに感染して1週間前後の潜伏期間を経てから発病します。目ヤニや充血、腫れ、痛みも伴いますが、通常は発病後10日ぐらいで症状が軽くなってきます。炎症がおさまってきた頃に黒目の表面に点状の濁りが出てくることがありますが、このときに点眼薬治療をやめてしまうと黒目の濁りが後遺症として残ってしまうことがあるので、必ず医師の指示のもと、点眼治療を続けることが必要です。かかった場合は、目をできるだけ触らず、タオルなどを介して感染する可能性があるので、家族とタオルをわけ、入浴の順番なども気をつけるようにしましょう。

咽頭結膜熱

夏場にプールの水を介して子供に感染することがよくあるので「プール熱」とも呼ばれています。アデノウイルスの感染によって起こる結膜炎で感染後の5~7日の潜伏期間を経てから発病します。のどの痛みや発熱を伴い、かぜのように全身がだるくなり下痢を起こす場合があります。通常は発病後10日ぐらいで症状が軽くなってきます。

急性出血性結膜炎

エンテロウイルス70型とコクサッキーウイルスA24型のウイルスがあります。潜伏期間が約1日と短いことと、鮮やかな結膜下出血を起こすのが特徴の結膜炎です。結膜下出血が起きると白目がまっ赤になり驚かれる方も多いですが、出血はしばらくすると吸収されるので心配いりません。発病後は1週間程度で症状はおさまります。

細菌性結膜炎

細菌感染による結膜炎です。結膜が充血し、目ヤニの症状がありますが、ウイルス性結膜炎に比べ点眼薬(抗生物質)により比較的短期間で治ります。ただし、淋菌による結膜炎の場合は、進行すると角膜に影響が及んで視力が低下することがあります。

アレルギー性結膜炎はどんな病気ですか?

アレルギーとは、外から入ってくる異物に対して、体が過剰に反応することで起こります。花粉やカビ、ダニ、ペットの毛、チリ、フケ、特定の食べ物などが原因物質となり結膜炎を引き起こしますが、人に感染することはありません。目やまぶたがかゆくなり、充血と白っぽい眼脂(めやに)が出ます。点眼薬で治療を行いますが、抗アレルギー剤の点眼のみで症状がおさまらないときは、ステロイド点眼薬を併用する場合があります。

眼科疾患と治療について