当グループ 眼形成手術内訳
当院の手術の特徴
当医療グループでは年間約350例の眼形成手術をすべて日帰り手術で行っており、良好な手術成績を収めています。
手術は整容面にも最大限の配慮を行っておりますが、一部の自由診療による手術を除き、いわゆる「美容手術」ではないことを予めご理解ください。手術は、表面麻酔を併用した低侵襲手術で、CO2レーザーを使用してダウンタイムを短縮しています。
眼瞼下垂(先天性眼瞼下垂・後天性眼瞼下垂)
眼瞼下垂には、生まれつきまぶたを挙げる筋肉(上眼瞼挙筋)の力が弱いため、幼少の頃よりまぶたが下がってしまう「先天性眼瞼下垂」と、加齢や長年のハードコンタクトレンズ装用などが原因で、筋肉の一部(挙筋腱膜)が伸びてしまい、まぶたを挙げづらくなる「退行性眼瞼下垂」があります。
手術方法(手術時間:片眼 約15分~20分)
先天性の場合
前頭筋吊り上げ術:おでこの筋肉とまぶたを人工の繊維(ゴアテックス)を用いて連結し、おでこの力でまぶたを挙げる手術を行います。
退行性の場合
眼瞼挙筋短縮術:伸びてしまった挙筋腱膜を適切な長さに短縮する手術のことで、正常な状態に戻すことができます。
-
眼瞼皮膚弛緩
上まぶたの皮膚が垂れ下がった状態を「眼瞼皮膚弛緩症」といいます。ひどくなると視界が狭くなります。高齢者に多いですが、若い方でもまぶたの皮膚のたるみが司会の妨げになることがあります。
手術方法(手術時間:片眼 約15分~20分)
余分な皮膚を切除する手術が有効で、眉毛の下を起点に皮膚を切除する方法(眉毛下皮膚切除術)と、二重瞼の皺に沿って皮膚を切除する方法(上眼瞼形成術)がありますが、患者様のまぶたの形状に合わせて、より自然で創がほぼ目立たない術式を選択します。
-
顔面神経麻痺による開瞼障害
顔面神経麻痺の後遺症として、おでこの筋肉に麻痺を残すことがあります。そのために眉毛を挙げづらくなり、結果として、まぶたも開けづらくなります。
手術方法(手術時間:約20分~30分)
手術は眉毛の直上の眉毛で隠れた部位に皮膚切開を行い、適量の皮膚を切除することで眉毛の高さを矯正します。下がった眉毛を本来の位置に戻す手術を行うことで、機能面のみならず、整容面でも改善が期待できます。
-
眼瞼内反症と睫毛内反症
逆さまつげとは、まつげ(睫毛)が目に刺さり、痛みや異物感などを起こす病気です。加齢に伴ってまぶたそのものが内反してしまう「眼瞼内反」と、まつげが生まれつき眼球方向に倒れている「睫毛内反」に区別されます。
手術方法(手術時間:片眼約15分~約20分)
ひどくなると角膜に障害を残すので、根治手段として手術を行うことがあります。手術方法には糸を通すだけの「埋没法」と、まつげの下や目尻の皮膚を 切開する「切開法」がありますが、まぶたの形状に応じて、より効果的かつ創が目立たない術式を選択します。
-
眼瞼外反症
下まぶたの眼瞼結膜が外向きになり、いわゆる「あっかんべー」をした状態になることを、「眼瞼外反」といいます。加齢に伴って下まぶたを支えている 靭帯が伸びてしまうことが主な原因になりますが、顔面神経麻痺の後遺症として起こることもあります。
手術方法(手術時間:約20分~30分)
目尻の皮膚に小さな切開を作成し、伸びてしまった靭帯の長さを糸で矯正する手術(Lateral tarsal strip)を行います。
-
眼瞼腫瘍
まぶたの良性腫瘍にはさまざまなものがありますが、「母斑(ほくろ様)」と「脂漏性角化症(いぼ様)」がその多くを占めます。良性腫瘍の場合は必ずしも治療する必要はありませんが、大きくなると整容的に目立つため治療の適応になります。
手術方法(手術時間:約10分)
腫瘍の大きさにもよりますが、ほとんどの場合は腫瘍を削ぎ落とすように切除する方法(オープントリートメント法)で治療可能です。一方、悪性腫瘍の場合には拡大切除術などの専門的な治療が必要になります。良性腫瘍と悪性腫瘍の鑑別は、症状や見た目だけでは分かりづらいこともありますので、気になる場合はまず担当医までご相談ください。
-
眼窩脂肪ヘルニア
眼球の奥には脂肪組織があり、外力に対する緩衝的な役割をしています。通常は眼球と脂肪組織の間に丈夫な膜がありますが、何らかの原因によりすき間が開いて、眼窩脂肪が奥から眼球の表側に 出てきてしまう状態を「眼窩脂肪ヘルニア」といいます。これによって、異物感が強い場合や見た目が気になる場合には手術で治します。
手術方法(手術時間:片眼 約15分~20分)
結膜をレーザー切開し、余分な脂肪組織を引っ張り出して切除します。脂肪が出てこないように結膜下のテノン組織を縫い合わせて、最後に結膜も縫合して傷口を閉じます。
下眼瞼脂肪ヘルニア(自由診療)
加齢とともに眼球の後ろにある脂肪が前方に移動し、下まぶたが膨らんでくる現象を「下眼瞼脂肪ヘルニア(バギーアイリッド)」といいます。程度が軽ければ皮下のヒアルロン酸注入で改善することもありますが、根治には手術が必要です。
手術方法(手術時間:片眼 約30分)
前方へ移動した脂肪を単純に切除する方法と、縫合意図を用いて脂肪の位置を矯正する方法(ハムラ法)があります。また、脂肪部位まで到達するアプローチとして、皮膚側で切開する方法と結膜側(まぶたの裏)で切開して行う方法がありますが、当院の手術では外見敵に傷がない後者を極力選択しています。整容的な治療であるので、保険診療を用いることはできず、すべて自費診療となります。
-
CO2レーザーによる
眼形成手術の利点と注意点当院のまぶたの手術では、CO2レーザーを使用して組織を切開しています。CO2レーザーを使用する主な目的は、術後の内出血や腫れをできる限り少なくすることにあります。一般的な金属メスで組織を切開すると、切開と同時に出血を起こすため、切開後に凝固装置を用いて止血する必要があります。一方、CO2レーザーで組織を切開すると、レーザーの効果で切開と同時に止血されるため、術中の出血量が少なくなります。
術中出血量の減少は、手術時間の短縮にもつながります。術後の内出血や腫れの軽減に寄与し、ダウンタイムの短縮につながります。
よくある質問
眼瞼下垂にはどんな症状がありますか?
まぶたが重たい、黒目がはっきり見えない、目の開きに左右差がある、視野が狭い、などの外見上や見え方の問題のほか、片頭痛や肩こりの原因となる可能性もあるので、気になる症状があれば、気軽にご相談ください。
眼瞼下垂や内反症の日帰り手術は何歳から受けられますか?
局所麻酔による日帰り手術は、一般的には16歳以上の健康な方に行うことが可能です。ただし、未成年の方については、保護者の同意が必要になりますので、受診の際には保護者同伴でのご来院をお願い致します。
手術の痛みはどの程度でしょうか?
当院では局所麻酔(皮下注射)を行う前に皮膚表面からの浸潤麻酔と点眼麻酔を使用しているので、皮下麻酔を行う際の注射針のチクッとした痛みを感じることはありません。また、手術の時には十分な皮下麻酔が施されているので、痛みを感じることは殆どありません。
手術後の腫れや赤みはどのくらい続きますか?
術後の腫れや赤み(皮下出血)の程度や持続期間は個人差があり、一概には言えませんが、一般的には術翌日に症状が一番強く現れますので、 大事な予定は入れない方が良いでしょう。 炭酸ガスレーザーによる手術では術中の出血が少ないため、術後の赤みが少なく、腫れも3~4日でほぼ引いてしまいますので、ダウンタイムが短いことが最大の利点です。ただし、抗凝固剤を服用している方では、赤みや腫れが完全になくなるまで約1~2週間かかることもあります。
術後に留意すべきことはありますか?
術後の腫れをできるだけ抑えるため、術直後から休憩室で15分ほど目元を冷やしてから帰宅して頂いておりますが、ご帰宅後も保冷剤などでまぶたを冷やすようにするとよいでしょう。術後数日間は目の周囲を擦ることを避け、激しい運動やアルコールの摂取などもなるべく控えるように心がけてください。